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第77話 心が求めて

Penulis: Aica
last update Tanggal publikasi: 2026-06-11 00:01:39

どんどん降り積もる雪の中で倒れたあの瞬間、どうしてか一瞬一弥さんが頭の中に浮かんだ。

そんなときに無意識で呼んだ彼の名前。

朦朧としていた中、現れたのは、まさかの彼だった。

“助けて”と心の中でも口に出して叫んだとしても、絶対助けてくれなかった彼が、今私を助けてくれ、こんな場所に一緒にいるなんて……。

朦朧としている中、彼が私の名前を呼ぶ声は、なぜだかしっかり私の耳に響いた。

目を開けていなくてもわかる、その声。

こんなにも心配そうな声で必死に私の名前を呼び気にかけたことなんて、今まで一度もなかった。

そんな彼は別人かと思うほど──。

だけど、私はこの人の声を、存在を感じたとき、あんなにも安心して嬉しいと思ってしまった……。

正直あの雪の中、倒れた時、もうダメかもしれないと思った。

こんな場所にまで、誰も私のことなんて助けには来てくれないのだと。

最悪なところまで考えていた。

なのに、どうしてこの人は、またこんな場所でも私を見つけてくれるの……?

前にプールで溺れて助けてくれたことを彼に尋ねたとき。

ただの偶然かのような言葉を彼は告げた。

ただ目の前で溺れていたから助けただけだと。

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